トランスの油とは?油抜きや交換が必須な理由を紹介 イメージ

トランス、つまり変圧器には油が使われます。
この油というのは絶縁油のことで、絶縁のために使われるわけですが、油抜きや交換が必須となる理由について紹介します。

トランスに使われる油とは?

一般的にトランスで使われる油というのは、絶縁油のことを指しています。
通常、絶縁体というと油のような液体ではなく、個体が使われるケースが多いのですが、キュービクルに使われるトランスをはじめ、電気機器の絶縁体としては液体の絶縁油が使われるケースが多くなります。
キュービクルに使われる絶縁油としては、たとえばPCBが挙げられます。
ポリ塩化ビフェニルのことで、現在では使用が禁止されているものの、過去には絶縁油として使われていました。
PCBは人体に悪影響があり、土壌汚染物質でもあるため危険な物質とされ、現在では使われていませんが、古いキュービクルを中心に絶縁油として使われていたため、今でもトランスにPCBが含まれている可能性はあります。
もしPCBのような危険な物質が絶縁油として使われている場合は、正しく処理しなければなりません。
特にキュービクルを処分する際などは、事前に絶縁油の検査をし、必要なら行政に届け出るなどの対応が求められます。
この他にも鉱油やアルキルベンゼン、ポリブデン、アルキルナフタレン、アルキルジフェニル・アルカン、シリコーン油などが絶縁油として使われます。
どれも液体であり、同時に絶縁性に優れています。

絶縁油の性質

絶縁油にはいくつかの種類がありますが、どれも共通した性質を持っています。
まずわかりやすいのが液体だということでしょう。
一般的な絶縁体とは違い、液状になっています。
また、電気的に安定していて、絶縁耐力も大きく、凝固点が低いことや引火点が高いことも特徴的な性質となります。
特に引火点が高いことは安全上の観点からも重要です。
引火点が低いと燃えてしまい、火災の原因になるからです。
特にキュービクルなど、屋外に設置することのある電気機器では、外気の影響も関係してきて、トラブルのリスクが生まれますのでこうした絶縁油が使われるのです。
その意味では絶縁油は引火の可能性が低く、比較的安全とも言えますが、絶対に引火しないわけでもありません。
やはり危険な物であることは間違いなく、適切に管理しながら安全を最優先に使う必要があります。
扱いには十分に注意し、できれば資格を持った専門家の立ち会いのもと管理するようにしましょう。

トランスの油の交換について

トランスに使われる油は時間が経つと劣化していきます。
劣化した油を使い続けると電気機器の故障の原因にもなりますので、定期的に交換しなければいけません。
油の交換は資格が無くても行えますが、交換後の通電チェックには電気主任技術者の監督が必要になります。
結局は電気主任技術者の資格を持つ人が必要になるので、交換の時から有資格者を立ち会わせ、厳重な管理の元で交換作業を行うのが理想です。
劣化した油は燃えるため事故防止のためにも、やはり専門知識を持った人がいることが重要です。
資格が必須ではないというだけで、現実的にはプロに依頼するのがもっとも確実で安全な方法だと考えておきましょう。
プロに依頼すればスムーズに作業が進みますし、無資格の人が交換方法を覚える必要もなくなります。

トランスの油を抜きたい場合は

トランスの油を交換する際など、劣化した油をまずは抜かなければなりません。
そのままにしておいては劣化した油も残ってしまい危険です。
まずは古くなった油をすべて抜き、油が無い状態で新しい油を入れることになります。
通常、トランスには機器の下部に油抜きと呼ばれる部分が設けられています。
ドレン管がつながっているなどしていて、ここから劣化した油を抜き取れるようになっている仕組みです。
また、機器の上部を開き、そこから油を抜き取る場合もあります。
いずれにしてもまずはトランスから劣化した油を抜くことが大切です。
油抜きは交換作業の1つなので、やはりプロに依頼してやってもらうのが理想です。
油を抜く作業も含めて、トランスに使われる油を交換したい場合は専門業者にお願いし、十分な安全を確保しながら行いましょう。
ちなみに、特別高圧で使われるような大容量のトランスの場合、絶縁油ではなくガスによって絶縁していることが多く、油の交換も不要です。
油とガスどちらで絶縁しているのかを確認しておくのも良いでしょう。

まとめ

トランスの絶縁体といて使われている油は、引火するおそれがあるだけでなく、油そのものが有害な物質であることも考えられます。
劣化した場合は古い油を抜き、新しいものに交換することになりますが、こうした作業は危険回避のためにもプロにお願いしましょう。
自分でやった方が費用はかからないと考えることもあるかと思いますが、大きなリスクが生まれます。
油の危険性を十分に理解し、適切に対処することが求められます。