非常電源専用受電設備ってどんなもの? イメージ非常時を想定した電源の1つに、非常電源専用受電設備と呼ばれるものがあります。
火災などの災害に備えるために重要な設備なのですが、具体的にどういうものなのでしょうか?
非常電源専用受電設備について詳しく解説していきます。

非常電源専用受電設備とは?

通常、非常電源というと自家発電や蓄電池などを使います。
普段は電力会社から電気の供給を受けますが、いざという時に備えて別な電源を確保しておく形です。
一方で非常電源専用受電設備は、電力会社からの電気をそのまま非常電源として使う特徴を持っています。
受電設備を利用し、非常時でも電力会社から供給を受け電力とするのです。
自家発電や蓄電池などを非常電源とする場合、機器の設置などでコストがかかります。
運用やメンテナンスにもコストはかかりますから、どうしても費用がかさんでしまいます。
とはいえ非常電源を用意しなおかないといけないのですが、非常電源専用受電設備があればコストを抑えられます。
非常電源専用受電設備を採用する主な理由としては、この低コスト化が可能という点が大きい割合を占めます。
ただし、電力会社から供給を受けるということで、大規模な停電などで電力の供給がストップすると非常電源も使えません。
これがリスクで、万が一停電中に火災が起きれば、電気を使えない状態になってしまいます。
日本は停電が少ない国と言われていますが、それでも停電になることはあり、一般的な非常電源にはない欠点も持っていることになります。

非常電源専用受電設備を低圧で使用する場合

電圧には特別高圧や高圧に加え、低圧があります。
どれでも非常電源専用受電設備を使用できますが、低圧で使用する場合は一定のルールがあります。
低圧受電で非常電源専用受電設備を採用したい場合、配電盤または分電盤の基準に適合する、第1種配電盤か、第1種分電盤を使用しなければいけません。
また、その設置場所は不燃専用室の内部か、屋外なら建築物から3メートル以上隔離したスペース、さらには耐火構造になっている建築物の屋上のいずれかに限定されています。
これら以外の場所に非常電源専用受電設備を設置することはできません。
こうした条件をすべて満たしていないと、非常電源専用受電設備を設置できなくなるので注意しましょう。
この他にもさまざまな保有距離が決められています。
たとえば配電盤や分電盤の操作面は、1メートル以上の保有距離を保つ必要があります。
保有距離についても事前にチェックしておき、必ず基準以上の距離を保つようにしましょう。

非常電源専用受電設備の点検について

いざという時に正常に機能させるためにも、そしてトラブルを防ぐためにも、定期的な点検が重要です。
点検は選任された電気主任技術者と、防火管理者の立会のもとで行うのが理想的で、点検時には電気事業法に基づく維持管理も行うと無駄がありません。
点検の内容についてですが、上記でも紹介した保有距離を有しているかをはじめ、充分なスペースが確保されているか、また不燃専用室に可燃物はないかなどをチェックしていきます。
扉などに損傷がないか、施錠はしっかりされているかなどもチェックします。
非常電源専用受電設備は普段は使うことがなく、火災時といった特殊な状況でしか使いませんが、だからこそ点検が大切です。
故障や危険などがあれば大きなトラブルにもつながりますので、定期的な点検で問題がないかを必ずチェックしましょう。

非常電源専用受電設備の設置基準は?

非常電源専用受電設備を設置するには、一定の基準を満たさなければなりません。
低圧で使用する場合の項目でも紹介したように、一定の保有距離を確保するといったことです。
高圧や特別高圧の場合は、不燃材料で造られた壁・床・天井で区画されていて、出入り口や窓に防火戸を設けた専用室が必要です。
この専用室に専用受電設備を設置しなければなりません。
もし専用室を確保できない場合は、建築物から3メートル以上離すか、主要構造部を耐火構造とした建築物の屋上に設置することになります。
これも設置基準の1つです。
これらの基準がどれも満たせない場合は、キュービクルそのものの耐火性能を高めることでも対応できます。
認定キュービクルを利用することで非常電源専用受電設備の設置基準を満たしたことになります。
このように低圧で受電するか、高圧・特別高圧で受電するかで設置基準も変わってくるので注意しましょう。
また、明確に基準がとして定められているわけではありませんが、引き込みケーブルは耐火ケーブルにするのが望ましいとされています。
可能なら耐火ケーブルを使い、より火災に強い環境を作り出しましょう。

まとめ

非常電源専用受電設備は、火災時のような災害時に力を発揮します。
万が一の時のために重要な設備で、設置基準を満たすなどして正しく運用する必要があります。
点検も重要で、定期的な点検で常に正しく機能するかをチェックしなければいけません。
設置基準や点検方法について正確に理解しておきましょう。