高圧電力契約をしている会社であれば、設置が必要になる変電設備のキュービクル。このキュービクルの点検は法律で義務付けられているわけではないので、点検はあまり行なっていないという方や、点検は自主的に行うだけで良いと考えておられる方もいます。

では、キュービクルの点検は定期的に行う必要があるのでしょうか?また点検自体は法律によって義務付けられているのでしょうか?

今回はこの点を解説致します。

キュービクルの点検は何をするの?

まずキュービクルの点検をしないと、どのようなことが起きる可能性があるのでしょうか?変圧器の故障に気付かず、そのまま使用を続けていると絶縁不良が起きる可能性があります。

絶縁不良が起きると、変電所から先の工場や大型施設への電気供給ができなくなるため、施設全体が停電になり、当然電気機器を使用した作業は一切できなくなります。

しかし故障の状況によっては、変電所の先だけの話だけでは済まなくなり、変電所周辺が停電になる可能性もあります。最悪の場合、火災が起きる可能性もあります。

キュービクルは6,600ボルトの電流をそのまま敷地内に取り込んでいることを忘れてはなりません。敷地内の変電所でトラブルが起きた場合、周辺地域への電気供給にまで影響が及ぶ可能性があり、その際の経済的損失は計り知れないものとなるでしょう。

まず周辺地域にある事業者は停電によって事業を行うことができなくなり、その損害を電力会社に求めるようになります。

電力会社は、請求された額を停電の原因である会社に請求するため、問題を起こした需要家は多額の損害賠償請求をされる可能性があります。ですからキュービクルの点検は定期的に行なうべきということです。

具体的に、どのような点検を行う必要があるのかというと、100ボルトや200ボルト回路において漏電が発生していないか、漏電による異臭が起きていないか、変圧器を含めて異常な温度上昇が起きていないかなどを点検をします。

また、工場や施設への電気供給を一時的に停止させ、高圧ブレーカーの故障や絶縁部の状態チェックを行います。

点検する場合に法律や義務はあるの?

キュービクルの点検の重要性と大まかな点検項目については理解できたと思います。点検について、工場や施設などの需要者の自主性に任されているのでしょうか?

キュービクルの点検は、電気事業法によって実施が定められており、点検を行わない場合は法令違反となります。ですから法律上の観点からもキュービクルの点検は、法令で定められている内容に従って行わなければなりません。

では、法令ではキュービクルの点検がどのように定められているのでしょうか?

まず、キュービクルの法定点検は、月に一度行わなければなりません。仮に遠隔監視装置を設置して、キュービクルの状態を遠隔チェックできるようになっているなら、2ヶ月に一度の点検で良いと認められています。

毎月の点検では、基本的に変圧器などを停止せずに行える点検、例えば漏電チェック、異臭チェック、温度チェックなどが行われます。毎月の点検に加えて、年次点検を1年に1度実施することも法令で定められています。

年次点検は、キュービクルを停止させて行う大掛かりな点検となり、キュービクル内の絶縁体の状態やブレーカーの動作チェックなどを実施します。

では毎月の点検や年次点検はだれが行うのでしょうか?これも電気事業法によって定められているため、点検は誰でも行なえるものではありません。

キュービクルを設置した者は、電気主任技術者を雇用するか、外部委託承認制度を通して電気主任技術者に点検してもらう必要があります。

電気主任技術者を雇用すると、当然毎月のコストが非常に高くなるため、キュービクルを設置している多くの業者は外部委託承認制度によって電気保安法人に点検を依頼しています。

まとめ

キュービクルを設置する場合、設置者には法律によって点検を行う義務が生じます。毎月の点検に加えて、年次点検を行わなければならず、点検を怠るなら法令違反として罰せられることになるでしょう。

さらに点検を怠ったため、キュービクルに大きなトラブルが生じて、事業所の停電や周辺地域の停電につながるケースもあります。実際、停電が周辺施設にまで及んだ結果、電力会社から損害賠償を請求されることになった会社もあります。

キュービクルの点検は、実施した方が良いという程度ではなく、必須であることを覚えておきましょう。